雑文記【ひびろぐ】

いつだって私たちの手のひらには物語がある。

風の強い日が苦手な理由。

風が強い日は苦手。 せっかくまとめた髪の毛がすぐに乱れる。 お気に入りの服はしわになったり汚れたり。 歩いても自転車に乗っても、大体向かい風。 まだひんやりする風が強ければ強いほど、私の行く手を阻む。 目の前のことだけに必死になって、前から吹い…

頑張った日に限って。

今日は頑張ったと思ったときほど、頑張れと言われる。 どうしてなのだろう。 この頑張りが伝わらないなんて。 あなたのために頑張っているわけではないけど、寂しいもの。 そんなことはしょっちゅうあるから慣れているでしょう、なんて言われてもいつまで経…

私なりの涙の出し方。

どのくらい泣いていないのか、自分でもわからない。 泣いたことはもちろんあるけれど、どうして泣いたのか思い出せないくらいに前のこと。 泣かないことはからだに悪いと聞いたから。 どうにかして涙を流したいと考える。 泣けると評判の映画を観る。 泣けな…

染まる色、朝昼夜。

朝はまだ冷えるから、頬がピンクに染まる。 指先に息を当てて、ホットの缶コーヒーを買う。冷たい頬に当てたら熱すぎて嫌になっちゃう。 昼は騒がしい町に飲み込まれる。 音や匂いに支配されて、見たものすべてに染まっていく。私は白くないのに、いろんな色…

爪切り、三日月、ゴミ箱。

爪を切る。 パチンパチンと響く音。 それほど伸びてはいなかったけれど、気になったら切らずにはいられない。 爪が短すぎるといろいろ不便だから本当は切りたくないんだけど、少しでも短くしたい。 理由はわかっている。 爪のあいだに、あなたの痕跡が残って…

歌声、公道、大声。

歌う勇気もないくせに。 道を歩きながら自転車を漕ぎながら歌うあなたは、きっと幸せなのね。 なんの歌を口ずさんでいるのかはわからない。 あなたは音痴だから。 でも、良い曲なのでしょう。 歌いたくなるくらいに。 私だって、ひとりでこっそり口ずさむ歌…

隣のカーキはキレイに見える。

カーキ色のブルゾン。 君が着ているのは随分と色が薄いね、僕のと比べて。 形は似ているけれど、細かいところは全然違う。 どうしてこんなにも違うのだろう。 君はよく似合っている。 名前も知らない君は、薄いカーキ色のブルゾンがよく似合っている。 どう…

ハッピータイムを探してみたら。

一日ずっとハッピータイムだったらうれしいけれど、そんなことはないから探しに行く。 いつがハッピータイムなのか。 ごはん食べている時。 おしゃべりしている時。 洋服選んでいる時。 眠っている時。 何も考えていない時。 いろいろ考えている時。 どうし…

手を伸ばし 宙ぶらりんな 君と春。

あったかくなったと思っていたら、また寒くなる。 風が冷たいと思っていたら、時折心地良くて。 少しの油断もできないことはわかっていても、すぐに一喜一憂してしまう。 上がったり下がったり。どこを鍛えているのだろうか。同じことのくりかえし。 厚手の…

日記のようなもの⑤

素直な気持ちが言えなくて。 素っ気なく「またね」なんて軽く言う。 ものすごく世話になったのに、そんなことしか言えないなんて。 あなたのやさしさに甘えて、私の言い分ばかり。 あなたの言い分は知らんぷり。 わかってくれていると思っているから、わかっ…