雑文記【ひびろぐ】

いつだって私たちの手のひらには物語がある。

夢や現や泡沫や。

眠れない夜は何もせずに目を閉じるだけ。 いろんなことに思いを巡らす。 そこではいろんなことが起こる。 私の頭の中で巡り巡っているのに。 想定外のことがいくつも起こる。 まるでどこかのことのように。 ずっと目を閉じていても眠れないから。 目を開けて…

歩行速度、平均以上、平均以下。

休みの日とそうじゃない日。 歩くスピードは違っている。 なにかに追われるように。 なにかを追うように。 そうじゃない日は、いつだって急ぎ足。 休みの日は。 うしろ向きに歩いたり、意味もなくスキップしたり。 まわりに誰もいないか確認して、やってみる…

代行サービス、臨時サービス。

代行サービスがちょこちょこ話題になっている。 特に、退社代行サービス。 辞めたい本人の代わりに退社の意思を伝えるらしい。 それだけじゃなく、退社後の面倒な手続きも行ってくれる。 辞めたいけれど、顔を合わせるのが辛い。 辞めることを代行してもらっ…

この世に1本しかない鍵は存在しない。

上着を入れようとコインロッカーへ向かう。 たくさん並んだコインロッカーには、どこにも鍵がささっていない。 つまり、どこも空いていない。 諦めかけたその時。 ひとつだけ扉が少し開いているところがあった。 近寄って見ても、鍵はささっていない。 上手…

道草煙草。

まっすぐ行くことはなくて。 いつでも道草食って遠回り。 目的地まではきっとまだまだ。 長い道のり。 そんなに急いでもしょうがない。 裏道脇道を通って道草を食う。 行き着く場所はわかっている。 時間がどのくらい残っているのかは知らない。 残り僅かじ…

一富士二鷹三茄子。

富士山に登っていて頂上が見えはじめたころ、鷹が空を飛んで鳴いた。その拍子でくわえていた茄子が目の前に落ちてきた。 そんな初夢を見たかった。 由来は知らないけれど、どうやら縁起物らしい。 一富士二鷹三茄子。 生まれてこのかた見たことがない。 ひと…

新年、挨拶、定型文。

今年もよろしくお願いします。 いろんな人に言う。 新年の挨拶だとはわかっているのに。 何を?と思う自分がいる。 今年もよろしくお願いします。 言っても言われても。 会う人すべてに言っていくから。 その疑問雑念を拭えないまま残っている。 何をよろし…

コンビニ、朝、風景。

朝コンビニによる。 仕事がある日は決まって。 いつもとは少し違う風景。 明らかに人が少ない。 いつも駐車場はそこそこ埋まっているのに。 1、2台しか車は見当たらない。 そんな時期がやってきた。 世間はすでに仕事納めが終わっている。 こっち側はまだ納…

ルーティン、縛られ、呪われ。

ルーティンが崩れたらなんだか気持ち悪い。 右足から靴下を履いてしまった。 ホットコーヒー買ったら微糖だった。 鍵をかけたあとドアを引っ張らなかった。 大して変わらないはずなのに、なんだか気持ち悪い。 その場で気づけば修正できるけど。 その場で気…

幸せ、不幸せ、隣合わせ。

ようやく仕事が終わった。 明日は休み。 気になる君をどうやって誘い出すか。 勇気もないのにそんなことばかり考える。 夕食作るのは面倒くさいから今日は外食。 松屋にでも寄って帰ろうか、と思っていたら。 満員で座って待っている人までいる。 家を過ぎて…

鏡、汚れ、落とせない。

テーブルに置いた鏡を見る。 なんだか歳とったな…。 思っていたのと、なにかが違う。 鏡が汚れているからと思ってみても。 鏡を綺麗にする勇気はなかった。 見つめ合っているのに。 ピントは合わずに、ぼやけている。 いつからこんな顔になったのだろう。 あ…

当たり前、隣、有難さ。

いつもそこにあるのに。 こんなときに限って、なかなか出会わない。 どうしてだろうと考える。 いつもはいつも、いつもの生活圏にいるからだ。 大体の配置は把握していて、時間配分も大体わかっている。 多少の誤差はどれも想定内。 気を紛らわすために考え…

影、光、一緒に。

私の真似ばかり。 私が動けばあなたも動く。 私が止まればあなたも止まる。 伸びたり縮んだり。 羨ましいな。 変化が目に見えるなんて。 私はもうほとんど変わらないから。 あなたは私の真似ばかり。 雨の日にはいなくなる。 きっと私が雨の日が嫌いだから。…

ペン、お気に入り、パンパン。

文房具コーナーに行けば。 必ずなにかしら気になるペンと出会う。 家に変えればたくさんペンがあるのに。 まだ使えるペンがいっぱいあるのに。 どうしても見てしまう。 見ていると、やっぱり欲しくなる。 お気に入りのペンと手に取って、使っている自分を想…

不眠、夢見、企み。

眠れぬ夜は。 時間が経つのが早い。 もうこんな時間。 何度も時計に目をやる。 明日は早く起きなくちゃいけないのに。 そう思えば思うほど眠れなくなる。 今眠れば、何時間眠れる。 逆算ばかりで、残り時間は減るばかり。 部屋は真っ暗。 眠るギリギリまでな…

左右、非対称、不均衡。

アシンメトリー。 こっちとあっち。 見ているものと見られているもの。 どこが境目なのかは知らないけれど。 感情と思考。 私が出すものとあなたが受け取るもの。 どれもアシンメトリー。 シンメトリーなんてない。 身の回りのすべてがアシンメトリーだと知…

服、綺麗、畳めない。

部屋に脱ぎ捨てられた、しわくちゃの服。 あなたの抜け殻みたい。 黒いロンT。 細身のあなたはタイトな服を好む。 もう少しごはん食べなよ。 そうは言っても小食だからしょうがない。 甘いものはたくさん食べるのに。 黒いロンTの、袖がピローンとなって変…

近道、回り道、通る道。

近所のコンビニ。 昔からの行きつけ。 毎日のように通っていて。 店内を歩くルートも決まっていて。 目につく商品も大体決まっていて。 レジに行けば、なにも言わなくてもセブンスターが用意されていて。 習慣になりすぎて。 なにも考えていないのと同様。 …

予定調和なエンディングは是か非か。

ようやく休日がやってきた。 前から観たかった映画を観に行こう。 ネタバレを見ないようにしてきたけど、評価はあちこちから聞こえてきた。 たくさん宣伝していて、まわりの人もけっこう観たようだ。 宣伝していた割に、評価はイマイチ。 耳を塞いでいても、…

東京ドームの広さがピンとこない。

テレビの向こうで女性が両手を広げる。 見て下さい、この広さ!なんと東京ドーム30個分の広さを誇っているんです。 うん。 ピンとこない。 きっと広いんでしょうね、くらい。 東京ドームは知っている。 なんとなくの広さをなんとなく知っている程度に。 東京…

メイク落としのベストタイミング。

素顔は見せたくないから。 ヒーローでもないのに、マスクをつける。 誰にもバレないよう、見られないよう。 素顔を隠す。 そんな毎日。 気を遣ったまま疲れ果てて、顔を隠したまま寝てしまう。 今日のメイク、なんだかいいね。 あら、ありがとう。 でも勘違…

毒は薬にだってなりえる。

あなたに毒を盛る。 少しずつ、少しずつ。 あなたに気づかれないように。 毎日、毎日。 それでも。 量が少なすぎるのか。 あなたが耐性を持っているのか。 あなたに変化は見られない。 それならば。 あなたの目の前で堂々と毒を盛る。 もちろん、毒だなんて…

自分と他人の評価が珍しく一致するとき。

夜が長い。 秋だから。 いや、違う。 何度時計を見ても、針は少ししか進まない。 体感では二時間くらい経っているのに、三十分しか進まない。 窓の外からは名も知らぬ虫の声。 コオロギとスズムシの区別すらつかない。 時計と同じ数だけ鏡を見る。 何度も、…

いつだってハードルは高め。

どうしてこんな顔をしているのか。 自分でもわからない。 視線はこっちを向いているのに宙を彷徨っている。 この頃はなんだかずっとしんどかったな。 なんて思いながら写真を眺める。 髪型も顔の形も肌の色も。 すべてが違う。 ほんの数年前なのに。 この頃…

終わりの続きを知りたくて。

すぐそこにあるのに。 手を伸ばせば届く距離に。 目の前にある映像や文字は、まるでおとぎ話のよう。 つながっているはずなのに。 どこかで断線している。 私の中には入って来るけど。 痛みは感じない。 感情が揺れたとして。流されたとして。 私の立ち位置…

そこらじゅうが火の元。

どんな小さな火だって火事の元。 火の用心。 尊い火は人々を助け、人々を滅ぼす。 どんなに小さな火だって、大きな火になる可能性を秘めている。 大きな火はもれなく、はじめは小さな火だったのだから。 どこまで燃え広がるのか。 私にも、誰にも、わからな…

輪廻転生のくりかえし。

朝起きたら、今日はがんばる、って決めたのに。 あれやって。これやって。 時間の経過と共に、あれやこれ以外にやらなくてはいけないことがたくさん出てきて。 あれやこれに手をつけることなく布団に潜る。 あれやこれをやらなくては、と思い、後悔し、情け…

誰かに期待するより自分に期待したい。

期待しすぎるとあとが辛いよ、って。 どこからか声がする。 まあ、確かに否定はできない。 大抵のことはそうだから。 でも、たまに、そうじゃないときがある。 上げに上げたハードルを越えてくるときがある。 だから、期待することをやめられない。 なんだか…

東西南北の大きなくくりじゃピンとこない。

本当に知りたいことはそこにはなくて。 大切なことなんだろうけど、なんだかピンとこない。 みんなが知りたいことなんだろうけど、なんだかピントが合わない。 流れる文字を眺め。 羅列された言葉を聞く。 上っ面しか知らないくせに、そのたびいちいち感情を…

絶妙で奇妙なバランス。

この世はきっと砂場のようなものだ。 なにもないところから。 大きな山ができて、大きな川ができて。 それだけじゃ物足りなくなって、大きな山にはトンネルを掘り。 それだけじゃ物足りなくなって。 建物作ったり、道路作ったり。 少しずつ、広げていって。 …