物語ブログ【ひびろぐ】

いつだって私たちの手のひらには物語がある。

運命の出会いを求めて。

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寝坊した。

思いっきり、寝坊した。

 

急いで支度をして家を出る。

腹は減っているから、食パンを口にくわえる。

 

一生懸命、走る。

このままだと上司に怒られる。

どちらかというと、説教は長いタイプ。

余計、遅れるわけにはいかない。

 

一生懸命、走る。

食パン食べているせいで、やたらとのどが渇く。

でも、そんなこと言っていられない。

残り時間は、あと僅か。

 

スピードを落とさず角を曲がる。

 

いきなり目の前が真っ暗になる。

何が起きたのかわからないまま、次は空が目の前に広がった。

からだが痛い。

 

誰かとぶつかったらしい。

マンガのように目の前に星が回る。

 

「どこ見てんのよ!」

ぶつかったのはお互い様なのに、悪態をつかれる。

 

でも、時間がない。

言い合いしている時間はない。

 

苛立ちを残して走っていく。

気づけば食パンはどこかにいった。

 

必死に走ったが、結局、遅刻してしまった。

 

上司のところへ謝りに向かう。

説教長いタイプだから嫌だな。

きっと遅刻のこと以外にも飛び火するんだろうな。

 

重たい足を引きずるように上司のデスクへと向かう。

 

そこには先客がいた。

上司は楽しそうに、そいつと話している。

 

「ああっ!」

私は思わず声をあげる。

「ああっ!」

そいつも思わず声をあげる。

 

角でぶつかった、あいつだ

 

悪態をついたまま、苛立ちを残したまま、別れたあいつ。

 

そしてはじめはお互い嫌っているが、いろんな問題を乗り越え、次第に惹かれ合っていく。

 

誰もが知ってるストーリー。

でも誰もが出会ったことのないストーリー。

 

 

 

そんなストーリーの夢を見ていたら寝坊しました。

 

急いだんですけど、そのストーリーを探していたら遅刻しました。

                                                                    

 

私は遅刻した理由を正直に話す。

 

そこから上司の説教は延々と続いた。

だって、説教は比較的長いタイプだから。