ひびろぐ

いつだって私たちの手のひらには物語がある。

高いところに憧れる。

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肩甲骨って翼の名残なのか。

 

その昔、人には翼があったのか。

 

何もない空を飛ぶことを諦め、いろんなものが満ちている地上に降りた。

歩くことを学び、走ることを覚えた。

翼の代わりに手を手に入れた。

そして、手をつなぐことを幸せだと感じるようになった。

 

昔のように、空を舞うことはできない。

 

その代わり、人は高いところに憧れを抱くようになった。

昔の名残なのか。

 

みんな高みを望む。

誰よりも高いところへと。

それが無理なら、今より少しでも高いところへと。

 

今よりもっと。

もっと高くへ。

 

背伸びなんかじゃ物足りない。

ジャンプしても物足りない。

手を思い切り伸ばしても物足りない。

 

今よりもっと。

もっと高くへ。

 

高いところへ行っても空を飛ぶことはできないのに。

そこから落ちても羽ばたくことはできないのに。

 

物理の法則には抗えない。

がむしゃらに手を動かしても、からだを動かしても、羽ばたくことはできない。

 

それなら身を委ねる覚悟を決める。

落ちたら痛い。

きっと痛い。

 

それはわかってる。

でも、それを我慢して乗り越えれば、また自由に歩き回れる。

地上を歩き回れる。

そして誰かと手をつなげる。

 

肩甲骨って翼の名残なのか。

 

こんなに凝り固まっていたら、翼がまた生えるわけもない。

いつも背を丸めてばかりで、肩が凝り固まっているから。

 

いったん背伸びをする。

パキパキ、どこか音がする。

なにかが剥がれ落ちる音がする。

 

さらにストレッチをして、肩甲骨あたりをほぐしていく。

いつも背が丸まって凝り固まっているから。

少しだけ肩が軽くなった。

 

肩をグルグル回す。

さっきよりスムーズに回る気がする。

 

グルグル巻き戻らなくてもいい。

グルグル回って翼が生えなくてもいい。

 

肩が軽くなったら、からだも軽くなった気がした。

 

また歩きはじめよう。

肩を回して、凝り固まったものを吹き飛ばして。

 

軽くなったからだで歩きはじめよう。

上を向いて歩きはじめよう。

 

高いところに憧れながら。

思い切り背伸びをして、背筋を伸ばして、手を伸ばして。