手のひらブログ【ひびろぐ】

いつだって私たちの手のひらには物語がある。

はじまりの終わりと終わりのはじまり。

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鐘の音が聞こえたら、はじまりと終わりの合図。

 

私たちはそうやって育ってきたから。

 

だから今だって鐘の音に敏感なまま。

 

「カラーン」だろうが「キンコーン」だろうが「ゴーン」だろうが。

鐘の音に変わりはない。

変わりはあるが、変わりない。

 

家の鍵に小さな鐘がついたキーホルダーをつけている。

 

何でそれ?

なんて言われたら。

落ちたらわかりやすいでしょ。

なんて答える。

 

本当は鐘の音が聞きたいだけなのに。

鍵を取り出すたびに聞こえる鐘の音。

何かが終わって、何かがはじまる合図。

 

着信音も鐘の音。

 

何でその音なの?

なんて言われたら。

心が和むじゃない。

なんて答える。

 

本当は鐘の音が聞きたいだけなのに。

着信があるたび聞こえる鐘の音。

何かがはじまって、何かが終わる合図。

 

ほら、どこからかまた鐘の音が聞こえる。

 

鍵もスマホもポケットに入ったままなのに。

 

何かがはじまる。

何かが終わる。

 

いつだってそう。

 

さあ、家へ帰ろう。

 

ポケットの中から鐘の音が聞こえる。