物語ブログ【ひびろぐ】

いつだって私たちの手のひらには物語がある。

地元を愛する人。

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これ、おいしいね。

 

これ、俺の地元の名産なんだよ。

 

へえ、そうなんだ。だったら、これ好きでしょ?

 

まあね。でも、これはちょっと違うけど。

 

何が違うの?

 

地元のやつは、もっと美味いよ。

 

へえ。何が違うの?

 

何ていうか、素材っていうか。割ともっと…。

 

でも、地元の食材を使用、って書いてあるよ。

 

そうかもしれないけど、何か、こう、ちょっと違うよね、やっぱり。地元とは。

 

へえ、そうなんだ。あっ、ここに書いてある方言は本当に使うの?

 

どれ?

 

これこれ。この方言一覧表みたいなやつ。

 

うーん、こんな濃い方言、じいちゃんばあちゃんしか使わないよ。

 

へえ。これはどういう意味?

 

…わからん。

 

これは?

 

……わからん。

 

じゃあ、これは?

 

……わからん。だって、じいちゃんばあちゃんしか使わないんだから。

 

そうだよね。あんまり方言出ないしね。

 

俺?ああ、こっちだとそうかも。地元に帰ると出ちゃうけどね。

 

何か方言喋ってみてよ。

 

そんな急に言われても、無理。

 

つまんない。ねえ、地元ってどんなところ?

 

いいところだよ。

 

どんなところが?

 

うーん、いろいろ。

 

例えば?

 

うーん、落ち着くところかな。

 

ふーん。でもあんまり地元に帰らないよね。

 

まあ…。いつでも帰れるし。

 

そっか。いつか連れて行ってね。

 

わかった。きっと気に入るよ。

 

どこらへんが?

 

うーん……全部。

 

全部、曖昧ね。

 

そんなもんだよ。

 

ふーん、そうなんだ。地元って曖昧なんだね。

 

うん。だから、いいんだよ。