ひびろぐ

いつだって私たちの手のひらには物語がある。

癒えた傷でも痕は残る。

f:id:touou:20190801215936j:plain

 

なくしたときは何も思わなくて。

なくした後になくなったのだと実感する。

 

それを後悔と呼ぶのなら。

 

なくさないようにするために。

なくした時のことを考えて。

なくさないために何ができるのか考える。

 

それを想像と呼ぶのなら。

 

目の前のことが目の前じゃなくなって。

鼻の先にあったものが鼻の先じゃなくなって。

 

あなたに触れていようと。

あなたの温度を感じていようと。

あなたの匂いを覚えていようと。

 

それが大切にするっていうことなら。

 

私はあなたに何をしてあげられたのだろう。

あなたは私をどう思っているのだろう。

 

後悔するたび涙を流し。

想像するたび不安になり。

大切にしようと思えば思うほど、きっと大切にできていないのだと気づく。

 

さよなら、の代わりに、またね、と言ったところで。

また会える保証はどこにもない。

 

だから笑っていたいのに。

上手く笑えない。

それでも、笑ってみせる。

 

上手に笑えるようになるまで、ここに居てもらっていい?

隣に居てもらっていい?

 

今なら簡単に言えるのに。

 

後悔したくないから。

涙を流したくないから。

 

笑っているふたりを想像する。

こんな想像だけはお手のもの。

 

なくしたものは戻らないのに。

 

もっと大切にしておけばよかった、と何度も繰り返す。